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2024/7/19 京丹後市視察

京都府京丹後市に視察に行ってまいりました。京都府の北部日本海側に面している市で人口が約5万人と光市と人口は同規模です。

視察の内容は、公共交通について勉強して参りました。

・市内上限200円バス

平均利用料金とアンケートおよび実証実験の効果測定などを通じて上限200円を決定して取り組んだ制度でした。

これによりバスの利用者が年間17万人から46万人が利用するなど大幅な利用改善の結果をもたらしました。光市などと同様にバス事業者に補助金を出しているのですが、バスの利用料金の上限が200円となり、利用者が大幅に増えたことにより補助金の額の抑制につながっております。(いわゆる赤字補填)

この取組をしなかった場合の補助金は1億円程度から年度ごとに微増していく計算でしたが取組の効果で年間数千万円の抑制につながっておりました。

ちなみに府の補助金が1割程度、合併特例債を活用した基金を作っておりそれを取り崩して充てるなどしているようです。今後、抑制できているとはいえ多額の財政負担が見込まれる点は課題であるかと思いました。

・ささえ合い交通について

合併前の丹後町にあったタクシー事業者が撤退することを契機に始まった制度でNPO法人「気張る!ふるさと丹後町」が運営主体となっており、市の補助金などは入っていない取組です。

Uber(ウーバー)のアプリで配車・距離計算・料金計算・決済まで行う形式を取っています。

道路運送法第78条第2号に基づく交通空白地有償運送となっています。

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(有償運送)

第七十八条 自家用自動車(事業用自動車以外の自動車をいう。以下同じ。)は、次に掲げる場合を除き、有償で運送の用に供してはならない。

一 災害のため緊急を要するとき。

二 市町村、特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人その他国土交通省令で定める者が、次条の規定により地域住民又は観光旅客その他の当該地域を来訪する者の運送その他の国土交通省令で定める旅客の運送(以下「自家用有償旅客運送」という。)を行うとき。

三 公共の福祉を確保するためやむを得ない場合において、国土交通大臣の許可を受けて地域又は期間を限定して運送の用に供するとき。

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一般住民がマイカーを使用して運行することが可能となっている(講習を受ける必要有)一方で、交通空白地でないと実施が困難という特徴があったり、既存の事業者との兼ね合いで運行地域が限定されたりするなどの課題があると感じました。

・mobi AIオンデマンドモビリティ(予約型乗合タクシー)の取り組み

導入の経緯と事業の目的

令和元年にWILLER㈱から京丹後市に打診があったことを契機として、令和2年に新モビリティサービス推進事業に関する連携協定を締結しました。地域の課題として免許返納に伴う移動手段の制限があります。このような中、利便性の高い相乗り型オンデマンド交通を定額で提供することにより、地域の移動総量を増やし、町の活性化を図ると同時に既存公共交通との相乗効果も期待されることで、将来に向けて安心できる移動サービスの提供、充実を目指すこととしたようです。

この制度も連携協定を市と結んでいます。これは、道路運送法第21条による運送(令和6年7月1日から第4条運送)による実証運行に関する要請などに必要な手続きのためだそうで市の補助金などは一切入っていないようで完全な民間運営です。

サブスクリプション契約をはじめプランがあり、使い方にあったものを自身が選択して利用する形態となっています。

配車についてはアプリから乗降場所を指定する形式となっています。

実証実験を経てこの7月から実用に移りました。

既存事業者との兼ね合いから運行時間などに配慮しながらの運送となっていますが利用者の割合が普段タクシーなどを使わない10代を中心に利用されていることから既存事業者への影響はすくなく、移動総量が増加するなどの傾向がみられるなどの成果が上がっています。 地域特性から多種多様な運送手段があり、住民にとっても選ぶ選択肢があることは素晴らしいと感じました。一方で財政的な負担を考えるとやはり行政一択ではなく、民間事業者とうまく協力をして実施していく必要があると感じました。

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