2024/5/16に光市議会総務教育環境委員会の行政視察で鳴門市に行ってまいりました。今回の視察テーマは「備えない防災フェーズフリーの取組について」です。
フェーズフリーとは、身のまわりにあるモノやサービスを、日常時はもちろん、非常時にも役立つようにデザインしようという考え方のことを指します。
「非常に備えないといけない!」と身構えると、一時は気合がはいりますが、それが長続きしなかったり、必要以上にお金をかけて準備するといったことがあります。私にもその経験があります。非常時に備えなければと思い、一式が入った防災バッグを購入したことがあるのですが、買ったことを忘れて押し入れに閉まっている間に使用期限が切れていました。
その一瞬は、備えるのですが常に意識をし続けることは非常に難しいと思います。フェーズフリーの考え方は、先に示した通り日常あたりまえにやっていることが実は非常時のためにもなっていた。ということがコンセプトになっています。
鳴門市では、様々なフェーズフリーの施策に取り組んでいました。たとえば、非常時にしかほとんど確認しないハザードマップに登山マップやウォーキングマップを記載することで登山やウォーキングをする人は、知らず知らずのうちにハザードマップを持ち歩き、なんとなく頭の片隅に「いつも見ているマップは、実は非常時に使えるものなんだ」とインプットされるかもしれません。
私の解釈では、そういった「かもしれない」というものが日常生活を送る中で自然な形で頭にのこっていくものの積み重ねなんだなと認識しました。
他にも、くるくる鳴門という施設も見学しました。事前に調べてはいたのですが、実際に現物を確認すると、日常×非常時がいろんなところに見て取れました。通常時は道の駅で買い物であったり屋上遊具などで遊んだりすることができる施設となっています。これが非常時になると、品物として陳列されている商品がそのまま非常食として提供できる仕組みとなっています。非常用に備えているものでなく、あくまでも日々の販売のために豊富な品目数と個数が陳列されており、まさにフェーズフリーであると感じました。また、この施設には、屋上に子ども用の遊具が併設されており、非常時には垂直避難に使用することができます。こちらも普段遊んでいる場所が何かあった時の避難所となるというのをそれとなく子ども達にも理解してもらえる素晴らしい取組であると感じました。
そして、フェーズフリーフェスティバルというものも開催しているようでした。山口県の他の市町などでは、防災フェアという形で民間が実施しているものもあります。
若年層にとっては、「防災」フェア。防災というワードがついたイベントというだけでも身構えてしまうものです。内容が同じでもフェーズフリーフェスティバルという名称であれば興味を示すようでした。些細なことですが、そういったこともフェーズフリーなのだろうと感じました。内容としては、防災フェアの様に防災器具やシステムを扱う企業さんが出店していたり、災害応援協定などを結んでいるキッチンカー協会によるキッチンカーの出店や講演や体験コーナーなどが設けられているようでした。
これの他にも学校でのフェーズフリーの取組など活かすことができそうな取組が多くありました。
これまで縷々記載をいたしましたが、光市においてもこの考え方というのは非常に有用であると感じました。コストを新しくかけずにできる取組や名称の工夫・どういうところと応援協定を結んでいるのかについては確認し取り組むことができる点から担当所感に訴えかけていきます。市民の安心安全をより強固なものとするために取り組んでまいります。